人間や植物にとって青息吐息

人間や植物にとって青息吐息

新たな年を迎え、はや1ヶ月も過ぎました。皆さま、どうお過ごしでしょうか?
昨年を改めて思い返せば、生産者との挨拶はいつもお決まりのフレーズだった。

“働く人間にとっても、この酷暑は過酷なんですよねっ!だから昼休みをしっかりとることが、絶対に欠かせないんです“

確かに昨夏は、全国的に多くの作物が酷暑の影響を受けた。

・高温障害による生育不足
・海水温の上昇による不安定な漁獲高
・カメムシの大量発生による果樹の被害

普段、私たちの生活圏内では知り得ない小さな歪みが、とても大きな歪みとなり顕在化しはじめている。

昨秋から年末にかけての花相場も、入荷量が極度に減少し高値で推移した。スーパーの野菜が高くなるのと同じ理屈である。もちろん、生産者にとっては出荷量が減っているのだからトータルの手取りは減少しているのが現実である。

私たちは常日頃、目に前に見える景色は変わらないと思いがちである。いや、そう思いたい保守的な願望が強いかもしれない。ただ実際には、その期待とは裏腹に変化の波は容赦なく暮らしを揺るがしてくる。

花の仕事は、人に夢を与え、人生の緊張感をほぐすことができるものと信じている。
混沌とした世の中だが、少し肩の力を抜いて、足元に灯された轍を確かめながら、互いに支え合うカタチを模索したいと思う今日この頃だ。

そういえば、2月には立春があり、“立春大吉” と書いた紙を玄関先に飾ると良いとされている。春先に蕾が自然と開くように、天地自然の神気をいただき、万民に福をもたらす縁起物である。2025年は、心豊かに自然と共鳴したいものだ。

人間や植物にとって青息吐息