いつも自分の心の中に

いつも自分の心の中に

桜の花びらが最後の輝きを増す4月初旬、入学式に参列する機会に恵まれた。

少し大きな学生服に、ぎこちなさが初々しい人生の一コマ。
見えるものすべてが新鮮で、車窓からスローモーションで風景が移りゆくような青春の日々。

今は家族があり、会社を営み、忙しい毎日に追われながら時間とにらめっこしている私。
若かりし頃、想像していたキラキラした人生とは、少しばかり隔たりがある。
そして、歳を重ねるほど、どこか理屈っぽくなったのは、気のせいだろうか!?

人生のフィルムは、いつも私の物語を記録し続けている。
自身が学生であった過去も今も、時計の針は同じリズムを刻んでいる。

毎日が新しく、感謝すべき一日を、“大人の当たり前”が邪魔をする。
そして、多くを求め過ぎ、無いものねだりが残念ながら得意になったようだ。

固唾を飲む参列者の鼓動さえも聞こえそうな静寂。
そんな傍ら、体育館の南窓から柔らかな日差しが、檀上横の額縁を照らす。
そこには、校訓の3文字が。

信愛 創造 健康

“人生の道標”に、年齢は関係ない。
「明日から少し心を入れ替えて頑張ってみよう!」
そう思った瞬間だった。

いつも自分の心の中に