「評論家と実践家」

「評論家と実践家」

私たちの会社では、時々、社員で近隣の生産者訪問をしています。
その理由は、単純に「経験」を一番大切にして欲しいと考えるからです。
お花や自然食品を取扱っている私たちにとって、その生産物がどのように作られ、作り手のどんな想いがあるかをしっかり理解しながら販売することが、とても重要だからです。

近年、ネット環境の充実とともに、キーボードや携帯のボタンをワンプッシュするだけで世界を一瞬にして駆け巡ることが出来ます。そこでは見たことがない風景や情報が溢れていますが、やはり私は、実際に自分自身の『目で見て・触れて・感じる』リアルな感動は、バーチャルの世界で感じることは難しい体験だと思っています。リアルな体験や経験こそが、個々人の記憶に刻まれ、未来を拓く自信へ繋がり、より充実した時間を刻みながら、人生と向き合えると信じています。

私たちが5年ほど前からブランディングを担当している、『福岡正信自然農園(愛媛県)』があります。
百姓仕事以外の、新商品開発・営業・広報活動など一切を引き受けています。
約50年前に同園の初代園主であり、農哲学者として自然農法の普及を通じて「人の道」を説いた、故 福岡正信氏が著した書籍『わら一本の革命』は、世界30各国で翻訳されています。彼はその中で、「知っていると解っているは違う」と述べています。広く浅く表層だけの知識だけで、すべてを理解したように錯覚を起こしているか、それとも深層まで物事を解釈しているか、では大きな違いだという意です。

情報過多な現代社会では、前者で物事を完結する方が多いように見受けられます。ただ、「知っている」だけでは、本質や大切なことを見失う可能性は否定出来ません。そのため、「教科書を抱く評論家」ではなく、「体験から物事を語る実践家」として、未来の扉をノックしたいものだといつも考えています。そして何より、私たちの微力で拙い日々の積み重ねが、皆さまにもっと喜んでいただける商品・サービスの提供に繋がるものだと信じています。

『自然』と『皆さま』と『生産者』を結ぶ存在でありたい!
そう願いながら、「日々への感謝」とともに今日という一日をリラックスして楽しみたいと思います。

「評論家と実践家」