
水仙 – スイセン-
厳しい冬の寒さに負けず、美しい花を咲かせる水仙は、縁起のよい花とされています。
ヒガンバナ科の球根植物で、雪の中でも花を咲かせるほど丈夫。凛とした強さのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
北陸地方では、「雪中花」とも呼ばれるスイセン。品質改良が進み、花色は白・黄色・オレンジ・複色・ピンクがあり、カップ咲き・筒状・八重咲き・房咲きと何千何万という種類が存在します。品種によりますが、スイセンの開花時期は12 月~ 4 月。球根を掘り上げなくても数年は球根を増やして花芽をつけ、丈夫で手間のかからない植物です。
スイセンは、見た目には可憐な花ですが、葉っぱや球根に毒がありヒガンバナと同じリコリンといわれる有毒物質を持っています。スイセンの球根部分にリコリンが多く含まれているのですが、葉っぱにも含まれています。
スイセンと葉が良く似ているニラを畑や家庭菜園で栽培される場合には、混植されないように注意してください。
■こちらは、ニラです
葉がすらりとしてスイセンの葉に似ています。

■こちらは、スイセンです
花が咲いているのでスイセンだとわかりますが、葉だけを見るとニラによく似ています。

見分けがつきにくいニラとスイセンの葉。見た目では、わかりにくいですね。
見分け方は、葉を揉んだり切断すると、ニラは強い刺激臭(ニラ臭)があり、スイセンにはありません。
ギリシャ神話にも登場する水仙。美少年ナルキッソスは、女神からの求愛を断り続け、復讐の女神ネメシスによって「自分自身を愛する」のろいをかけられてしまいます。ナルキッソスがある日、水を飲もうと池に顔を近づけたとき、水面に写る自分の美しさのとりこになってしまいます。ナルキッソスはそのまま動くことが出来ずひたすらに自分の姿に見とれ続けるようになりました。やがてナルキッソスの姿は消え、そこには水面に写る姿を見つめるように咲くスイセンが残るばかりでした。
スイセンの学名は、ナルシサス(Narcissus)と呼ばれ、ナルキッソスはナルシストの語源といわれています。
