隣の千両(センリョウ)は良く見える

隣の千両(センリョウ)は良く見える

「隣の芝は青い」という言葉は時々使うかと思いますが、千両にもこれが良く当てはまります。
縁起が良い植物とされ人気がある千両ですので、あちこちの庭に植えられているのをよく見かけますが、それぞれ個性的な育ち方をしています。特に実が色づく初冬にはその存在が良く分かり、実付きの良い株を見かけると、自分の庭のものと見比べてしまうものです。

千両を上手に育てるにはまず環境

中でも大切なのは光です。日陰を好みますので、家の陰になる北向きの庭や大きな木の陰になる場所を選びます。丈夫な植物ですので、夏の直射光を浴びてもそう簡単には枯れませんが、葉が黄色くなり落葉したりシミが出たりします。ですので、生産地では一年中、よしずで全面を囲って育てている光景が広がっています。


次に大事なのは天候です。開花時期の6月に雨が多いと実付きが悪くなり、雨が少ないと豊作になります。こればかりはお天道様任せですのでどうしようもありませんが、年による違いを翌年の吉凶を占うとでも思って楽しんでいただけたらと思います。


肥料も気になるポイントかと思いますが、庭植えでしたら積極的に与える必要はありません。鉢植えの場合は土に3割程度腐葉土を混ぜ、リン酸分の多い肥料を控えめに与えると良いと思います。


最後に、一番大事なのは実付き良く葉が小さい優良系統を選ぶということです。
千両の増殖は挿し木でもできますが、非常に時間がかかるため、大半は種から育てられています。ですのでそれぞれの株に個性があり、実付きの良し悪し、株姿も違ってきます。
日本には、茨城・千葉・和歌山・高知等に千両の切り花産地があり、それぞれに品質の違いがあります。そして同じ産地でも品質に応じて等級があります。


そこで25年ほど前に私がやってみたのは、出荷時に「特」と表示される、最上位等級の切り花の実を庭に播くといった実験です。結果、効果はテキメンで、我が家の裏庭の千両は葉が小さく実付きが抜群です。花屋さんで「特」を注文することは難しいかもしれませんが、気に入った切り花を手に入れたら、庭に播いてみるのもいいかもしれません。

隣の千両(センリョウ)は良く見える