ハーブの害虫対策は「テデトール」!?
みなさんは「登録農薬」という言葉をご存知でしょうか?
農薬には安全性を評価して作物ごとに国が認可した農薬があり、それが登録農薬と呼ばれています。
日本では「農薬取締法」という法律があり、作物を栽培する際はその登録農薬以外を使用してはいけないことになっています。市場に流通する植物はもちろんですが、家庭園芸でもこの制度は守らなければなりません。
農薬を使用する際には容器に書かれている適用作物をよく確認することが安全で楽しい園芸には重要です。ところがこれがなかなか難しく、実際には間違って使われていることもあるようです。
ハーブというくくりでの登録農薬は無い!?
トマトやナスといった多くの人に栽培される主要作物の場合、登録農薬は数多くありますが、ハーブとなるとこれは大変です。
一部のハーブには登録農薬があるものの種類が少なく、家庭用の園芸売り場で探すとなると小一時間容器の裏面とにらめっこしてもダメな場合もあるかもしれません。ハーブという大きなくくりでの登録農薬は無く、実際は「野菜類」という適用がある農薬を探す必要があります。
これを家庭園芸用の農薬売り場で探すとなると、殺虫剤ならデンプン製剤(洗濯のりみたいなもの)か水あめを製剤化したものになると思います。害虫が呼吸する穴を物理的にふさぐことで効果を発揮するもので、人間には非常に安全性の高いものです。
ですが植物にとっては安全性が高いとは言えず、薬剤が付着した新芽などが傷んでしまう害が出やすいものでもあります。また、害虫にべったりと付かないと効果が出にくく、相当しっかりと葉の表裏にかける必要があります。
ハーブの一種にワイルドストロベリーというものがあります。これはイチゴの原種ともいえるもので、遺伝子のレベルまで比較しても植物学的にはこの二つに大きな違いは無いように思います。ところがあまたあるイチゴの登録農薬はワイルドストロベリーには使えず、野菜類で登録のあるものしか使えません。同様にトマトとミニトマト、ピーマンとししとうも登録農薬が異なっています。家庭園芸の売り場にある農薬のパッケージにはさも何にでも使えそうな写真やイラストが印刷されていますが、内容をよく見ると非常に限られた植物にしか使えないことが多いのです。
ハーブの最上級の害虫対策とは
農薬を使うとなるといろいろと難しいこともありますが、私が考える最上級の害虫対策は「テデトール」です。要は手で取り除くという原始的な方法ですが、昔から小枝の先に水で練った泥を付けた道具でアブラムシをひっつけて取り除くということは当然の方法でした。ハーブ類にはそもそも病害虫は少ないですので手間さえかければ無農薬栽培の実現は難しくありません。
ちなみにテデトールと同じ発想ですが「オストアンデル」「ハクトヘール」とは何でしょう??(答えは下欄に)。
【答え】押すと餡出る=まんじゅう、履くと減る=下駄