重陽の節句

重陽の節句

9月9日は、「重陽の節句」といわれ、平安時代初めに中国から伝わったとされています。家族の無病息災や子孫繁栄、不老長寿を願い宴を開いたことが起源です。

中国で奇数は縁起の良い「陽の日」とされ、奇数の重なる日を祝いの日と考えられました。陽の日の最大値である「9」が重なる日を「重陽」と呼び、節句の1つにしたといわれています。また、主役となるのが菊の花です。その理由は、中国で始まったこの行事が「長寿を願う」という目的で始まったことにあります。

古代より中国で菊は、
「翁草(おきなくさ)」「千代見草(ちよみくさ)」「齢草(よわいくさ)」と呼ばれ、積極的に食されました。そのため、寿を願う行事に最適な花となりました。

日本に重陽の節句が伝わった際、菊は薬としての効能も伝えられました。当時日本では、菊は珍しい花とされ、食用だけではなく鑑賞用としても楽しまれるようになりました。重陽の節句には、白・黄・赤の菊でお流儀を飾ります。五色を飾るともいわれ、白菊・黄菊・赤菊を用い、葉の緑を青、水を黒に見立てて五色生けしています。

重陽の節句