五穀豊穣を祈る、その原点へ。

五穀豊穣を祈る、その原点へ。

春の陽気が待ち遠しくなるこの季節。桃花・レンギョウ・サンシュユなど、部屋を彩る樹々が私たちの心を弾ませてくれる。私たちの心をそっとノックするこの時期は、さまざまな花々の出荷が始まる季節でもあるのだ。


花業界の一年でもっとも忙しい年末商戦がひと段落したこの時期、私たちはすでに、次の準備のため日本全国を駆け回っているその一つが、しめ縄だ。スーパーやホームセンターなどで目にする多くのしめ縄には、海外産の水草が使われていることが少なくない。国産に比べて価格を抑えられるというメリットはあるものの、新年を祝う飾りとして国産の稲ではないことに、どこか小さな違和感を感じてしまう。五穀豊穣への感謝と祈りを思えば、なおさらだ。
本来、神事などに用いられるしめ縄は、稲が穂を付ける前の青藁(あおわら)を使って編まれる。瑞々しい藁
で編んだしめ縄で、神様をお迎えする 。それが古くからの礼儀とされてきた。


しめ縄づくりは、田植えの時期に使う稲苗を育てるところから始まると言って過言ではないのだ。その年の生産計画を立てる大切なタイミングで、私たちの想いや予定を伝える貴重な時間でもある。ちょうど先日、ある産地を訪ね、皆さまが清々しい気持ちで新年を迎えられるよう、新しい取り組みについて話を重ねてきたところだ。


伝統文化を、かたちだけでなく想いとともに、皆さまの暮らしへ丁寧にお届けできること。
それは、わたしたちにとって何より誇りである。