八ヶ岳産ドライフラワーで楽しむ、自然と暮らす上質なインテリアの魅力とケア方法

9年ぶりの景色は、マーブル模様。

2025年1月から9年ぶりに仕入れを担当することになった。
私はまるで浦島太郎のように、業界の景色が一変していることに気づいた。

後継者不足や作付け面積の縮小などが重なり、かつて当たり前のように出荷されていた季節の花が市場から消えている。そんな出来事は、いまや日常茶飯事だ。もちろんどの業界でも時代に応じて姿を変えるものだが、第一次産業の動向は気候と密接に結びついている。

自然の前では、人間の都合主義は無力に等しい。だがそのような状況でも、工夫を凝らし難局に立ち向かう生産者がいる。暑さに強い品種の選定や、送料を鑑みた出荷箱サイズの調整など、彼らの自助努力に終わりはない。

さらにコロナ渦を経て、ライフスタイルや価値観の変化が需要構造を揺るがした。冠婚葬祭における需要は減少傾向にある一方、日常のなかで花を愛でる文化は再評価された。花が、その価格以上に人々の暮らしに豊かさをもたらすことが、改めて証明されたのだ。これは生産者にとっても、新たな商機を生み出す好循環につながっている。

花を文化として未来に根付かせるためには、一方が得をして、他方が損をするような構図をつくってはならない。
みながハッピーで、幸せを分かちあえる継続的な関係性こそが、私たちが思い描く心地よい風景であり、心から望む未来予想図なのだ。

文 中村太郎