華道といけばな
フラワーアレンジメントというと以前は、左右対称が美しいとされる、西洋の美学を基準にいけるイメージがあり、左右対称を良しとしない華道やいけばなと区別された時代がありましたが、今やその感覚はなく、どちらも違いはなくなってきています。
給水フォームを用いるのがフラワーアレンジメントで、剣山や七宝などでいけるのが華道やいけばな、とされていた時代もありましたが、今や給水フォームを使用するいけばなの流派も存在します。
厳密にそれらを区別することは出来ないと言えるようです。
■ 華道
立花・生花(しょうか・せいか)それぞれの流派のしきたりや型・取り合わせを尊守し、それに従って花をいける必要があります。もちろん、まずは流派の考え方をしっかり守ることが求められるのです。
特に華道においては、精神的な部分がとても重要で、いくら美しいバランスで花をいけられるようになっても、それらがおろそかになっているようでは、極めることはできないものだとされています。
華道においては、客をもてなす心も求められます。そういった部分は稽古を重ねていくことでしか、鍛錬することはできません。稽古に真剣に取り組むたびに、その人の内面が少しずつ磨かれていくのです。
■ いけばな
生け花・活け花とも呼ばれ、それらは呼び名が違うだけでおなじです。流派によって華道もいけばなも境界がない場合も多く、厳密に分けることは出来ませんが、格花と呼ばれる立花・生花(しょうか・せいか)とは異なる表現が中心となるようです。
ただし、格花・立花・生花(しょうか・せいか)の表現を持たない流派も、厳密に生け方や花材などの様式が定められている場合もあります。