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「はつり」掛け花入
“削る(はつる)”事でできる模様が特徴
ガラスの表面を研磨機で、一ヶ所一ヶ所削り施される美しい模様は、さらさらと優しい肌触りです。
「削る(はつる)」ことから「はつり」と名づけれられた心地よい掛け花入。
「やさしく、やわらかく、ここちよい。」
心に素直に心地よく入ってくるものを創り出したいという思いから生まれた作品。
ガラスには「硬い・冷たい」といった印象をもたれる方もいます。しかしつくる工程では、高温で熱して溶解したオレンジ色の原料は、とても温かみを感じる。その印象を大切に仕上げる小路口力恵さんのガラスは、陽だまりのような温もりをまとっています。
触れた質感は、まさに和紙のように肌にじんわりとゆっくり馴染んでいきます。
手で感じ、手で視ることを大事にしたモノづくり
眼では見落としてしまうことも、手で視ることがでる。
そのように感じる所以は、小路口さんの父方・祖父母が全盲だったこともあるようです。いつしか芽生えた“手て視る”気持ち。見えないからこそ、視覚以外の感覚をフルに活用した姿が身近にあったということは、確実に今のモノづくりに繋げられています。
小路口屋 硝子工房 作家のご紹介
1972年、富山県富山市で誕生した小路口 力恵(しょうじぐち・りきえ)氏。1995年、富山美術工芸専門学校デザイン学科研究課程修了後、富山ガラス造形研究所研究科を経て、富山ガラス工房に所属。2005年“小路口屋”硝子工房を設立し「やさしく、やわらかく、ここちよい。」をコンセプトに制作。制作した作品の一部は、石川県能登島ガラス美術館、東京ミッドタウン ガレリア、インターコンチネンタルホテル大阪、韓国陶磁財団などの収蔵品に選ばれています。
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