季節と生産者が奏でる私たちのブーケ

花は、私たちの感性に優しくタッチします。工業製品では感じることができない、色・香り・感触などの自然からの贈り物を感じると同時に、私たちは花々が咲き乱れる畑の景色や生産者の姿が目に浮かびます。丁寧に、そして大切に栽培された思いが宿った花を皆さまに大切にお届けします。

日常に花がある愉しみとは！？

生産者の花に対する熱量や温度感。そして、その土地の風土と共鳴した花々。自然と一体になることで見える世界がある。駆け足のように過ぎ去る忙しい毎日は、ちょっとした小休止。まるで、疲れた後に肩をもみほぐされるように、心のリラックスがある風景。自然の旋律から生まれた花々は、造花・アーティフィシャルでは表現出来ない”生きる鼓動”があります。そしてそんなリズム感は、生活に艶を与えてくれます。

長持ちの秘訣は！？

私たちには、在庫という概念はありません。通常、花屋さんは、キーパーと言われる冷蔵庫の中で花を保管します。生産者の畑から採花された切り花は、時間が経つごとに残念ながら劣化していきます。見た目は綺麗な花であっても、その花持ちは劇的に悪くなります。そのため、私たちは在庫を極力持たず、その都度、必要な量だけ購入することを心掛けています。それにより、新鮮な花を皆さまにお届けしています。もちろん、生産者によってもその品質の差は歴然です。”生産者を知る”も私たちが得意とするところです。「生ものは、生き物」なので。

数センチに大きな違いが！

花は通常、等級という形でその長さや大きさなど産地固有のサイズ選定が行われます。その等級ごとに箱詰めされて出荷されます。小さな花束には、短い花を、大きな花束には長いものを使用します。ただ私たちは、小さな花束を作る際にも出来るだけ長めの花を仕入れることを意識しています。というのも、長くてしっかりした花の方が水揚げが良いからです。一見、同じように見える花であっても生産者の違いだけでなく、花の特性でもその差は出ます。

花に、国境はない

結局のところ、そこに”心があるのか！？”ということは、とても大切だと感じています。私たちは今まで、僭越ながら全国47都道府県と世界20各国を歩んできました。天空という言葉がぴったりの宮崎の端っこのホウズキ農家、和歌山県の断崖絶壁の枝物採取、反政府ゲリラとスリランカ政府が緊張を保っている山奥で見た観葉植物、サンスベリアを求めたマレーシアのジャングル、インド洋の貴婦人と称されているモーリシャスで植民地の歴史を傍らで見守るアンスリューム。移動距離に比例するように、私たちの気持ちは確信に変わっていきました。

”花に、国境はない”

いつもそこに、生産者がいるから

私たちの”花の旅”は、作り手である生産者との軌跡でもあり、商売という物差しでは図れない情緒的な繋がりがとても大切だと感じています。作りてなくして、私たちは存在しません。思いの熱量って結局、人とヒトだと思っています。皆さまと生産者を”紡ぐ人”でありたい。

誰もがその発展に疑う余地などなかった高度経済成長期。滴る汗の数だけエネルギーに満ちた時代。それは、経済を支えた第一次産業従事者である生産者も同じです。ただ時代は、裏方の生産者に光を射すことは少ないです。見た目の綺麗さや華やかさばかりが重要視されているように感じます。

私たちは、生産者を知ることが、花を解ることに繋がると思っています。そしてなにより、皆さまに作り手のいとなみや思いを伝えることが、継続的な循環だと信じています。それぞれに立ち位置があるように、花業界も同様のカタチがあります。

生産者から託された花のリレーを”思いのひとひら”として、皆さまにささやかなブーケをお届けします。