~“ふかす”という業界用語に垣間見る、日本文化~

旅の途中

~“ふかす”という業界用語に垣間見る、日本文化~

2月といえば、花業界では「桃花」を語らずにはいられない。

暖かい季節に咲き誇る桃花の枝を、寒風吹き荒れる1月に
畑から切りだし、室(ムロ)と呼ばれる温室で、“ふかす”。
これは業界用語で、開花促成させる手法を指す。
季節を先取りした花を各家庭で楽しんでもらうために生まれたものだ。

江戸時代から、花を日常のなかで愛でる文化が脈々と受け継がれ
先人の知恵がいまなお息づいている一コマ。

私たちは日々のなかで、気づかぬうちに伝統文化の恩恵を受けている。
人々にとって意味深き文化は、生活に根付いていることが多い。

ちょっとした小休止に、違うアプローチで日常を捉えてみると
毎日には“新しい発見”が詰まっている。

旅の途中 香川県高松市 丸福清花園
文・写真 太郎社長(中村太郎)

~“ふかす”という業界用語に垣間見る、日本文化~